着物を着付けるシーンは?着物に関するアンケート調査結果!
西洋文化の広がりで着物ばなれが進んだ時代を経て、いま再び着物が注目されています。「着物を着ている人を見かけると思わず振り返ってしまう」「チャンスがあれば自分も着物を着てみたい」「ひとりで着付けができるようになりたい」など、着物への憧れを抱いている人は、少なくないのではないでしょうか。
それでは実際のところ、どのくらいの人が、どのようなシーンで着物を着ているのでしょうか。この記事では、10〜70代の男女約1万人を対象に、リサーチ会社が2022年1月に実施した、第3回「着物*に関するアンケート調査」の結果をご紹介します。
*着物…ゆかた、作務衣、甚平、丹前などは除く
着物を着たことがある人は60%弱。その場面は?
資料参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001140.000007815.html
子供(小中学生)の頃以外で着物を着たことがある人は全体の60%弱。性別で見てみると、男性約5%、女性80%強と大きく差が出ました。
着用シーン(複数回答可)として多かったのは、「成人式」27.4%、「結婚式・披露宴(自分の挙式)」26.7%。続いて、「結婚式・披露宴(参列者として)」「お正月」「自分の卒業式」の順となりました。
2020年からコロナ禍に入り、成人式については中止が相次いだり、参加自粛者が増えたりしたことは記憶に新しいですよね。しかし、前回の第2回(2018年1月)調査では、成人式で着物を着たことがある人は25.6%だったのに対し、今回は27.4%と、わずかながら増えていることは意外でした。
自治体の成人式には出られなくても、振袖を着て記念写真を撮ったり、家族だけの成人式を実施したりと、成人式の選択肢が増えたことが、減少につながらなかった要因かもしれません。
着物をどのくらいの頻度で着ますか?
資料参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001140.000007815.html
「着物をどのくらいの頻度で着ますか」という質問に対し、「1回しか着たことがない」は28.0%、「それ以下(5年に1回以下)」が51.3%でした。
年齢や性別で見てみると、男性40・50代で「1回しか着たことがない」が50%台、女性50・60代では「それ以下(5年に1回以下)」が60〜70%を占めました。
また、月1回以上着物を着ている層の着用シーンとして、「おけいこごと」の比率が高いという結果も。着付け教室や華道、茶道など、着物を着て行う和のおけいこごとが、着物を着る一番のきっかけになっているようです。
着物の所有率・着付けの経験は?
自分の着物を持っている人は全体の30%強です。女性40代では40%弱、女性50代では60%弱、女性60・70代では80%という具合に、女性や高年代層で比率が高くなっています。
また、自分で着付けができる人は、全体の20%弱。高年代層で比率が高く、男性70代と女性60代では30%強、女性70代では50%の人が自分で着付けができるという結果でした。
「着物は気軽に楽しみたい」「シーンに合わせて着物一式レンタルしたい」など、着物レンタルを利用する人が増えている中で、およそ3人に1人が着物を持っているというのは驚きです。
今後機会があれば着物を着たいと思いますか?
資料参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001140.000007815.html
今後の着物の着用意向をたずねると、「着たいと思う」「まあ着たいと思う」と答えた人が全体の約25%でした。性別・年代で見てみると、女性10~30代が50〜60%と、若年層の女性の比率が高いという結果に。また、着物を着たことがある人の中では30%強、一度も着たことがない人の中では10%が「着たいと思う」「まあ着たいと思う」と答えました。
さらに詳しく見てみると、2~3年に1回以上着物を着ているという層では70〜80%、1回しか着たことがない層では20%弱と、着用頻度が高いほど、また着たいと思う傾向が出ています。着れば着るほど、その魅力を知ることができるのが着物ということなのかもしれませんね。
まとめ
10〜70代の男女を対象に、リサーチ会社が実施した着物に関するアンケート結果をご紹介しました。女性は成人式や結婚式など、大人になってから着物を着たことがある人がほとんど。また、多くの女性が着物に魅力を感じていることがわかる結果となりました。一方で、「自分で着付けができない」「着用シーンがない」「準備やメンテナンスが大変」といった理由から、自分の持っている着物をたんすに眠らせてしまっている人も多いようです。
世界に誇れる日本の伝統文化「着物」。これからも日本人として、着物への誇りと憧れの気持ちを大切に持ち続けていきたいですね。