【着物のお手入れ】虫干しはいつやればいい? 時期ややり方などを解説
お気に入りの着物は少しでも長く、きれいな状態で身に着けていたいものです。しかし、日々のお手入れを怠ると、知らず知らずのうちに着物にシミができていたり、汚れや変色が残ってしまったりすることがあります。
そこで、着用後のお手入れとあわせて定期的に行いたいのが、「虫干し」です。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、着物を長持ちさせるために知っておきたいお手入れ方法の一つです。今回は、着物の虫干しについて、時期や詳しいやり方についてご紹介します。
定期的な「虫干し」で着物をお手入れ
着物の虫干しは、適切な時期や方法を知っておくことで、より効果を発揮できます。さっそく、虫干しの概要や時期、方法について詳しく見ていきましょう。虫干しをしたいという方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも虫干しとは?
虫干しとは、湿気や害虫対策のため、着物の風通しを良くするお手入れのこと。曝涼(ばくりょう)という名称で呼ばれることもあります。今回は着物の虫干しについて紹介しますが、書物や調度品などに対し、同様のお手入れをすることも虫干しと言います。
着物を虫干しするのは、湿気や害虫、変色などから着物を守るのが目的。着物は湿気を苦手とするため、定期的に虫干しをして風を通してあげることで、湿気を取り、カビの繁殖を予防します。
また、虫干しは定期的な着物の点検も兼ねたお手入れです。そのため、虫干しの際に害虫がいないか、汚れや変色がないかなど、点検をするようにしましょう。万が一、虫干しで虫食いや変色を見つけた場合は、放置せず、早めに対応をしてください。
とくにフォーマルな着物の場合、何年も着る機会がないことも珍しくありません。たんすに仕舞い込んだままにしてしまうと、知らない間にカビや変色ができてしまうということも。そうなると、その着物をすぐに着ることができません。着る機会のある・なしに関わらず、虫干しをすると良いでしょう。
虫干しはいつ頃やれば良いもの?
虫干しを行う上で、重要なのがそのタイミングです。一般的に虫干しの時期とされているのが、「1月下旬~2月上旬」、「7月下旬~8月上旬」、「9月下旬~10月中旬」の3回。最低でも年に1回は虫干しの機会を持つと良いでしょう。
しかし、この時期であればいつでも虫干しをして良いかというとそうではありません。虫干しの目的は、湿気を飛ばすことなので、雨が降っている日やその前後などは避けた方が良いでしょう。あらかじめ天気予報などを確認し、乾燥している日を狙って虫干しをしてください。
虫干しのやり方は? どれぐらい干せば良い?
では、具体的にどのように虫干しを行えば良いのでしょうか? 虫干しは、ただ着物を干せば良いというわけではなく、いくつか注意したいことがあります。ここからは、どのように虫干しをするのか順を追って説明します。
- 1.着物用のハンガーを用意し、着物を掛けます
- 2.太陽の光が直接当たらない風通しのいい場所で、4時間ほど着物を干します
- 3.干し終わったら、たとう紙に包むなど適切な方法で保管します
虫干しは長時間行えば良いというわけではありません。直射日光が当たる場所に長時間干すと、日焼けしてしまうこともあるので注意しましょう。また、可能であれば、虫干しをしている間に着物の保管場所を掃除するのがおすすめです。
お気に入りの着物を虫干しでお手入れ!
今回は、虫干しの方法などをご紹介しましたが、忙しくてなかなか虫干しができないという人もいるかもしれません。その場合は、着物を仕舞っているたんすの引き出しを軽く開けておくだけでも、湿気対策ができます。お気に入りの着物を長く着るためにも、ぜひ今回の記事を参考に虫干しを行ってみてはいかがでしょうか?